雨の人

 

降り出した雨なんてとうに止んでいた

気づかずに傘はさしたまま

いつだって遅れてばかりの僕の感性が
なぜか馬鹿みたいに胸を掻き立てている
壊れそうだったあなたへ
願ってばかりじゃ救えないから
手を差し伸べたつもりなんだ
届かないか心が擦り減っても
静寂を噛み締めて
快楽に舌を打つ
不甲斐なく泣き寝入り
こんなのは僕の世界へ無理やり閉じ込めた話
剥き出しの真実に泥を塗っている

独りよがりに濡らした夜なんかに苦しむな 交差するフィルター越しの涙だけ見て

壊れそうだったあなたへ
ただ何かしてみたくなっただけ
もう太陽は見えるようだぜ
笑ってくれよ
水溜り飛び越えて
壊れそうだったあなたへ
最大限のことをするから
あなたの求む世界じゃ
意味ねえかもな
届かなくとも繰り返す滑稽
またな