浮遊感ブルー

ドアを開ける時にようやく息をするんだ

無理をして偽り抜いた自分を脱ぎ捨てた夜

シーツに沈んで行く

ふわり揺れるカーテンには

時の神様がいるみたいだった

 

そっと世界は真夏で緩く歪んでいる

遠く聞こえる風鈴の音はハーモニー 

 

青白い闇に飲まれ 優しさと履き違える

星達の話し声 遠い空のダイアリー

少し胸の表面が吸い込まれて宙へ浮く

眩しさに目を瞑る隙に落ちて行く 

 

ああ 綺麗だ ああ 耽美だ

この色が平熱と溶け出したなら残酷だ

香る季節の華 蛙も歌い始めたら

風に乗りこの場所を旅立った

 

きっとあの娘は濡れた髪を整えて

涼しい部屋を暗くしてセックスしている 

 

浮遊感はブルーだね

立ち込める憂いの青

止めどなくなだれ込み

蒸発した心

川のほとり 水面揺れ

ちかっと光 瞬いた

街角からのメッセージ 流れ星じゃなかった

青白い闇に飲まれ 切なさと眠る夜に

少しだけ優しくなれたんだ

 

何年先へ進もうと

例え心が赤く染まろうと

千年経って思い出そう

アンニュイな闇にさらわれた日々を

そうやって煌々と 踊る星のワルツよりも

大人になって見えなくなった

幽霊と戯れたような 季節の色