放浪センチメンタル

巡る季節の香りと肌触りに

飽きずセンチメンタルになっているのは

夢と思い出が一度に溶けるから

 

人で溢れる街が嫌いなのに

あてもなくふらふら彷徨って

何気ない顔で出会う準備しているよ

 

ささやかなことで胸が嬉しくて弾んだ日々

今は夢の中で見てるんだ

麗しき髪や瞳

その声も変わらないままで

 

進み続けるコミュニケーションの時代に

取り残されたように生きている

同じこの街で元気にしているかな

 

夜の涼風が凪ぐ母校に着いた

少し不思議な気持ち 淡い黒

何度も会えたのに 今さら期待している

 

心が締め付けられる

でも遣る瀬無さだけじゃない

ふと温もりも溢れ出てるんだ

こんなことばかりしてる自分は

変わらないままです

 

いたずらに時は流れ

いろんなことがあっても

想像だけ夜空へ舞って行く

いつまでも夢の中のあの娘は

あの時のままで

 

帰り道に自転車漕いで

ゆっくり過ぎて行く景色の中

思わぬ方から僕の名前が呼ばれている気がした

 

長い長い物語の終わりに切なさ抱いて

振り返る先に寂れた街灯は誰も照らしていなかった

立ち尽くして動けなかった

見上げた月 笑ってくれた

心の底からありがとうが漏れ

もう慣れたこの道を帰る