愚か者の私

最後の感情さえも溶け出した

何者でもなくなってしまおう

 

溢れ出る涙を許して

記憶の片隅を

ただいじくり回し

決めかねていた

 

予感が鋭く尖るあの日も

どうにか乗り越えたけど

ここまでだ

 

これは真っ暗闇の正夢

変わり得ないけれど

ほんの少しの希望くらい

抱いていたかった

 

溢れ出る涙を許そう

記憶の片隅で

最後の感情は

「この世界は儚いな 世界は尊いな」

愚か者の私

 

涙の色だ