夜と霧

白く深く 霧雨が覆う

背中に落とした影まで染めて消して行く

森はざわめいている 静寂のノイズだ

延々と続く

帰る場所さえも飲み込まれそう

 

ここから失意は最後の合図だ

絶望は揺るがない

 

ああ

伸ばした手はいつの日か届くだろうか

声が枯れようと叫ぶのさ

白き闇を裂くように 今

 

 

黒い影 ゆらゆら浮かんで

雄叫びを上げる

僕らを虐める(さいなめる)ように

イカれた奴は死んじまえよ

転がっている石 投げつけてやれ

疑い罰せよ 身から出た錆びさ

涙はこぼさない

 

 

何度も助けを呼んでいる

助けを呼んでいる

助けを呼んでいる

正気かい? 狂気さ

どっちが幸福?

夢だけ見ていられたら…

 

ああ

伸ばした手をいつの日か握りしめてよ

声が枯れようと叫ぶのさ

この運命を潰すように

もう帰れないと悟った頃

何を求めよう

声が出せなくて 苦しいな

夜と霧に溶けていく