tatacuuc

〜鬼才〜


 

春になってきました、w-mのいしはまです。

いきなり話ですが、最近は「w-mさん」と「石濱さん」と、呼ばれる割合が半々くらいになってきました。

ちょっと嬉しい。

どっちでも良かったんだけど、あくまで俺は「w-m」というバンドの「石濱」だからね。

「銀杏BOYS」の「峯田」みたいなものだから。

そんな立ち位置で表現していきたい。

 

さて、表現とは何であろうか?

本日のレビューの前に敢えて小難しい命題を問う。

音楽を娯楽ととるか、表現ととるか 、はたまた意味なんてないものか・・・。

答えはきっと「人それぞれ意味合いが違う」というのが無難だろうが、作り手と聴き手でここのズレが大きい場合、それは需要と供給が一致していないことに等しい。

・・・何が言いたいかというと、音楽に娯楽を求めている人には伝わらないものがあるし、その逆も然りということだ。

 

本日ご紹介するのは混沌の中から生み出された「表現者」、tatacuuc様をご紹介します。

(Vol.16・・・2019/3/26)

 

tatacuuc

 

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tatacuuc(たたくーく)氏。

上記の通り「アーティスト」であり、もはやDTMとかそういう次元では語り尽くせぬ人物と考えている。

実際に弾ける楽器のレパートリーはかなり広いようで、俺の知る以上にはマルチプレイヤーだと思う。

個人的にはふと垣間見える優しいピアノに心を奪われることが多く、涙すら出そうになるので、一番は彼のピアノが好きなのだ。

(本日はあまり紹介するシーンはないかもしれないが、こんなアーティストはなかなかいない)

 

Bandcampにて「Afterground Aftermath」がリリースされていたが、つい先日「狂oom」がリリースされ、そちらはストリーミング配信もされた。

裏話としては、実は「狂oom」の方が古いアルバムとのことだが、ジャンルに囚われないtatacuuc氏の作品はどちらから手を付けても間違いではないだろう。

本日は「狂oom」の方をピックアップしたく思うが、入りやすさ/聴きやすさを求めるならば「Afterground Aftermath」の方を個人的には推したい。

 

 

アルバムの初めを飾る、M1「統合失調症」。

少し不安にさせるピアノから始まり、不気味な笑い声を皮切りに奄々と言葉が連ねられていく。

その詞は暴力的でもあり下劣でもあるが、淡々と表現されている。

これがtatacuuc氏の描く統合失調症の世界なのだろうか。

有名どころのアーティストだとASA CHANG&巡礼の世界観とも通じるところがあるが、tatacuuc氏の方が狂気に満ちている。 

 

さて、レビューしてみようと思ったものの、俺はこの一曲ですらどう言葉にすればいいか分からなくなっている。

曲に表現がこもればこもるほど、言葉にはしにくいものだと実感してしまっている。

その上でなるべく言語化を試みるが、この曲は本アルバムで最も「泣ける曲」であると感じたし、大作だと思っている。

正直冒頭の詞の意味などは俺には理解しきれなかったが、節々に突き刺さるワードがあるのだ。

最後の一言でなんとも言えない気持ちになる、改めて泣き曲だ。

M2「サーカス」は俺お気に入りのトラックだ。

tatacuuc氏のカオティックさと不穏さ、そして哀愁が綺麗に短くまとまった一曲だと思う。

序盤から入ってくるピアノフレーズは流石であるし、うごめくベース、展開されていくタムフレーズ。

この一曲は至高だ。

闇のディズニーランドのパレードのような一曲だと思っている。

だけれどこの曲も優しい。中盤からおそらくギターと思われるアルペジオが入るのだが、なんだか胸が締め付けられるのだ。

めちゃくちゃニッチな話題をすると、アダルトゲームで「素晴らしき日々」というセカイ系のゲームがあるんだけど、そんな感じ!(分かる人には分かるはず・・・)

良くできている一曲だ。

 

M4「神に愛されたおっぱい」。

もうこれは曲も含めて俺の想像の範疇を超えている。。

設定から出来ているのかよく分からないが、もうよく分からない・・・笑

きっと神に愛されたおっぱいとはHカップくらいあるバストのことを指しているのだろうが、歌詞を聴いてもストーリーがぶっとんでいるのだ。

歌詞付きで、「何を表現したいのかな」ってここまで考えさせられたのは久々かもしれない。

とにかくすごいのだ。セイントオブジャッチメントってなんだ。。

是非聞いてみてほしい。

 

 

結構カオスな曲ばかりを紹介してきてしまったが、最後におすすめコレ1曲でこれまた泣ける一曲を貼っておくので聞いてみてほしい。

俺が本アルバムで一番好きな一曲だ。

tatacuuc氏のポロっと弾くピアノやギターには何が籠もっているのだろうか、俺はそれが才能的な何かに感じてうらやましい。

正直人を選ぶアーティストではあると思う。ノイズが乗っていたりする時点で、万人向けでは決してない。

だけど、それを通り越せば彼の苦悩であったりカタルシスが見えてくるような気がしなくもない

付け加えて紹介すれば、M6「細胞、臓器」M8「うじ虫のしっぽ」では彼のピアノプレイが本作で最も出ている曲でもあるのでそちらも聞いてみてほしい。

 

なんだか今回はより一層まとまりのない文になってしまったように感じ恐縮である。。

耳で聞くアーティストではなく、心で聞くアーティストだからかなあ。

これもクサイこと言っていてすみません、でも本当なんです。

世界は広くて、こんな鬼才もいるということを思い知るばかりです。

 

では。

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